サステナブル債発行額(グローバル)2024年第1四半期に2,810億ドルに回復

5月2日、ムーディーズ(Moody’s Investors Service)によると、2024年第1四半期、グリーン・ソーシャル・サステナビリティおよびサステナビリティ・リンク債(GSSS)の発行額は、2023年第4四半期の2,070億ドルから36%ほど増えて、2,810億ドルとなったと発表した。

債券別では、グリーンボンドが発行量の60%を占めており、発行額が1,690億ドル。同社によれば、グリーンボンドの発行額が引き続き堅調に推移すると予想しており、通期で5,800億ドルを見込んでいる。

ほとんどのセグメントが堅調だったが、同四半期のサステナビリティ・リンク債(SLB)発行額は前年同期の220億ドルから100億ドルに減少した。2021年第1四半期以来最低となった。債券に関連付けられた「持続可能性目標の信頼性や堅牢性」に対して投資家が厳しい視線を寄せたためと推測される。なお、SLB発行の通期予想は、600億ドル程度としている。

グリーン産業政策の普及、脱炭素化を求める企業への規制圧力の増大など、GSSS市場が成長する見込みを示している。また、国債(ソブリン債)発行額の増加も言及しており、2024年第1四半期では総額590億ドルに達していると報告。気候変動と持続可能性への資金調達のため、債券を利用する国が増えるにつれ、今後も成長が続くと予想されている。

【参照ページ】
(原文)Strong first quarter points to sustainable bond issuance recovery in 2023

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