Lloyd’sとMoody’s、保険引受および投資ポートフォリオ向け炭素会計ソリューションで提携

Lloyd’sとMoody’s、保険引受および投資ポートフォリオ向け炭素会計ソリューションで提携

9月14日、保険・再保険市場のLloyd’sとMoody’sは、温室効果ガス(GHG)排出量算定ソリューションの開発を目的とした新たな協業を開始し、保険代理店が保険引受や投資ポートフォリオの排出量を定量化し、新たな規制要件に対応できるようにすることを発表した。

Lloyd’sによると、この新しいソリューションは、保険会社が、SECR(Streamlined Energy and Carbon Reporting)などの現行の枠組みや、EUのCSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)やISSB(International Sustainability Standards Board)など、今後施行される規制によるGHG排出量報告要件を満たすという課題に直面する中で開発された。

新たな協力関係の下、Lloyd’sとMoody’sは、温室効果ガスプロトコルの第15分類で定義されるスコープ3、すなわち投融資活動に関連する排出量を正確に評価することを目的としたソリューションを開発する。スコープ3の排出量は、データの入手可能性や企業の外部開示が限られていることから、通常、追跡が最も困難である。

本コラボレーションは、Lloyd’sの「ラボ・チャレンジ・プログラム」の一環として、12週間の概念実証から開始される。本プログラムは、保険業界の課題に取り組むために、新しい商品アイデアを実験し、商品開発を加速させるために設立された。

本ソリューションの排出量測定の出発点は、PCAF(Principles for Carbon Accounting Financials)の基準である。PCAFは昨年、保険・再保険会社が保険引受ポートフォリオに関連するGHG排出量を測定・開示できるようにすることを目的とした「保険関連排出量に関するグローバルGHG会計報告基準」を発表した。

【参照ページ】
(原文) Lloyd’s and Moody’s to develop an emissions accounting solution through the Lloyd’s Lab
(日本語参考訳) ロイズとムーディーズ、ロイズラボを通じて排出量会計ソリューションを開発

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る