8月24日、カナダのバンクーバーで開催された地球環境ファシリティ(GEF)第7回総会において、生物多様性枠組基金(GBFF)が発足した。GBFFは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるための世界的な取り組みを直接支援する新たな資金源である。本目標は、昨年12月のCOP15で採択された生物多様性グローバルフレームワークの一環として、196カ国が合意したものだ。
新しい世界生物多様性枠組基金(GBFF)は、山火事、洪水、異常気象、都市のスプロールを含む人間活動によってその健全性が脅かされている野生種と生態系の保全と持続可能性への投資を動員し、加速させるために設計された。
新しい基金は、バンクーバーで開催されたGEF総会で批准され、発足した。これにはカナダからの2億カナダドル(約216億円)と英国からの1,000万ポンド(約18億円)が含まれる。
GEF総会には、先住民、女性、若者を含む政府、企業、学界、市民社会の環境リーダーや管理者など、世界中から1,500人が集まっている。
4年に一度のこの集会は、ブリティッシュ・コロンビア州における記録的な山火事シーズンと、記録的な太平洋と大西洋の海水温に煽られ、北米における記録的なハリケーン・シーズンの幕開けに開催される。
GBFFの批准は、生物多様性条約締約国会議が「昆明・モントリオール生物多様性世界フレームワーク」として知られる歴史的な生物多様性世界目標に合意し、その実施を支援するためにGEFが管理する新しい基金を設立することを決定した8カ月後に行われた。
GEFは、生物多様性の損失、気候変動、汚染など、相互に関連する環境問題に対する途上国の行動を支援する基金のファミリーである。6月、GEF理事会はブラジルで開催された会議で、基金設立の取り決めを承認した。
バンクーバーで発表された拠出金は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させ、2050年までに自然を回復軌道に乗せるための行動を支援する。
新基金は、生物多様性と生態系の持続可能性に焦点を当て、公共、民間、慈善団体から新たに追加される資源を動員し、分配する。基金の20%は、生物多様性を保護・保全するための先住民主導のイニシアティブを支援する。また、小島嶼開発途上国および後発開発途上国への支援を優先し、同基金には3分の1以上の資金が投入される。
【参照ページ】
(原文)New global biodiversity fund launched in Vancouver
(日本語参考訳)新しい生物多様性グローバル・ファンドがバンクーバーで発足