バイデン政権、連邦政府の持続可能な新調達規則を発表

バイデン政権、連邦政府の持続可能な新調達規則を発表

8月1日、バイデン政権は、連邦政府バイヤーが持続可能な製品やサービスを優先的に購入するための要件を盛り込み、連邦政府購買のための環境保護庁(EPA)エコラベル基準のカテゴリーを一連の新分野に拡大した、新たな持続可能な製品・サービス調達規則を発表した。

新提案は、2021年12月にバイデン大統領によって開始された政権の「連邦サステナビリティ計画」の一環をなすもので、米国連邦政府が2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するための一連の目標とイニシアティブを概説している。その中には連邦政府調達からの排出量を同日までにネット・ゼロに削減する目標も含まれている。

米国政府は世界最大の物品・サービス購入国であり、昨年の購入額は6,300億ドル(約89兆円)に達した。新提案を発表したホワイトハウスの声明によると、持続可能な製品やサービスの購入を増やすことは、政府が所有する30万棟の建物と60万台の自動車を合わせた排出量の2倍以上を占めるサプライチェーンの排出量を削減することにつながる。

新規則案は、政府の連邦調達規則を更新し、環境とサステナビリティに焦点を当て、連邦政府機関に対し、持続可能な製品やサービスを「実行可能な最大限の範囲で」購入することを義務付けるものである。

本提案では、各省庁は、政府購入者が持続可能な取得目標や義務に適合する民間規格やエコラベルを特定するのを支援するために策定された、EPA の「連邦購入のための規格、基準、およびエコラベルの勧告(Recommendations of Specifications, Standards, and Ecolabels for Federal Purchasing)」に従うよう指示される。新規則案の発表と同時に、EPA は、医療、専門サービス、研究所、制服および衣類、給食用食器な ど、新たな製品およびサービス区分にまで本勧告を拡大すると発表した。

新規則はまた、PFAS(永遠の化学物質)を含む製品の調達を避けるよう、各機関に指示する。PFASは、1940年代から幅広い消費財や工業製品に使用されてきた化学物質群である。食品包装、布地、台所用品、消火用泡、電子機器などによく含まれている。この化学物質は非常に難分解性で、時間が経っても分解されない傾向があり、人体や環境中に蓄積することがわかっている。PFASは、低出生体重児、ガン、甲状腺ホルモン障害、免疫系への影響など、人体に悪影響を及ぼす可能性があると考えられている。

【参照ページ】
(原文)Biden-⁠Harris Administration Announces Plan to Maximize Purchases of Sustainable Products and Services as Part of the President’s Investing in America Agenda
(日本語訳)バイデン-ハリス政権、大統領の「アメリカへの投資」アジェンダの一環として、持続可能な製品・サービスの購入を最大化する計画を発表

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