8月1日、ルフトハンザ・グループとケミカルソリューション企業のHCSグループは、年産6万トンの生物起源SAF施設を新設する計画で、2026年から持続可能な航空燃料(SAF)を製造・供給する新たな契約を締結したと発表した。
両社は、HCSグループが農林業残渣由来のアルコールを代替ジェット燃料ブレンド原料に変換するAlcohol-to-Jet(AtJ)技術を用いて製造したSAFをルフトハンザに供給するための意向書(LoI)に調印した。
SAFは、ドイツ・シュパイヤーにあるHaltermann Carlessで生産される。当初の生産量は年間6万トンと見積もられ、ドイツ初の生物起源SAFの大規模生産になると予想される。
SAFは、現在世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空産業の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。
航空会社が気候変動目標を達成するための重要な解決策の1つとしてSAF技術に注目し、各国政府が自らの脱炭素化の野望を達成するためにSAFの使用拡大を義務付け始めるにつれて、SAFの需要は今後数年間で劇的に増加する可能性が高い。例えば5月、欧州議会とEU理事会の議員たちは、EUの空港で使用する燃料に占めるSAFの割合を2050年までに最低70%まで引き上げることを義務付ける新規則について合意したと発表した。
ルフトハンザドイツ航空によると、本合意は、SAFの市場と利用拡大を推進するという目標を裏付けるものである。ルフトハンザは、2050年までにCO2収支をニュートラルにするという目標を掲げており、2030年までに2019年比でCO2排出量を半減させることを目標としている。ルフトハンザ・グループはSAFの世界最大の顧客のひとつであり、同社は今後数年間でSAF調達に最大2億5000万ドル(約358億円)を投資する見込みであると述べた。
【参照ページ】
(原文)Lufthansa Group and HCS Group sign Letter of Intent on the production and supply of Sustainable Aviation Fuel (SAF) ‘Made in Germany’
(日本語参考訳)ルフトハンザドイツ航空、生物起源SAFの契約に調印