ノルウェーの約183兆円石油ファンド、ポートフォリオ排出量の報告を約束

ノルウェーの約183兆円石油ファンド、ポートフォリオ排出量の報告を約束

7月20日、炭素会計財務パートナーシップ(PCAF)は、ノルウェーの1.3兆ドル(約183兆円)規模の石油ファンドの投資運用会社であるNorges Bank Investment Management(NBIM)が、PCAFの報告基準を通じて投資ポートフォリオに関連する温室効果ガス排出量を評価・開示することを約束するイニシアティブに参加したことを発表した。

NBIMは、ノルウェーの石油・ガス資源からの収入を管理するために設立された。同ファンドは、世界の上場企業の全株式の約1.5%を所有する世界最大級のファンドに成長し、70カ国、9,000社以上の株式を保有している。

PCAFは金融機関の世界的なパートナーシップであり、融資や投資に伴う温室効果ガス(GHG)排出量を評価・開示するための調和されたアプローチを開発・実施することを使命として、2019年に発足した。同組織は発足以来急速な成長を遂げ、現在では92兆ドル(約1.2京円)以上の金融資産に相当する400以上の金融機関が参加している。

2020年11月、PCAFは金融業界のためのグローバルGHG算定・報告基準を発表し、2022年12月には第2版が発表された。この基準は、銀行、資産運用会社、資産所有者が融資や投資ポートフォリオのGHG排出の影響を測定し報告するための、標準化された強固で明確な方法を提供することを目的としている。同基準は、融資による排出量を測定・報告するための手法として、世界的に最も広く利用されており、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)の金融サービスに関する気候情報開示勧告に組み込まれている。

今回の発表は、NBIMが昨年発表した、気候変動リスクと機会を管理するための気候変動アクションプランと、2050年までにファンドの全企業をネット・ゼロ・エミッションにするという目標に続くものである。この計画には、ネット・ゼロ・エミッションの目標に沿った企業活動を推進すること、ポートフォリオ・レベルの気候リスク報告を拡大することなどが含まれている。

その中で、2022年の株式と社債のポートフォリオの排出量は、CO2換算で5,170万トンであったことが明らかにされている。

【参照ページ】
(原文)Norges Bank Investment Management joins the Partnership for Carbon Accounting Financials
(日本語訳)ノルウェス・バンク・インベストメント・マネジメントが炭素会計パートナーシップに参加

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る