PUMA、2030年までに森林破壊のない皮革の生産を約束

PUMA、2030年までに森林破壊のない皮革の生産を約束

7月14日、アスレチックフットウェア、アパレル、アクセサリーのPUMAは、すべての牛革を森林破壊のないことが確認されたサプライチェーンから調達するという新たなコミットメントを発表した。

国連が支援するRace to Zeroが最近発表した報告書によると、土地に根ざしたバリューチェーンを持つ企業、特に森林、土地、農業部門に起因する森林破壊が、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の大きな割合を占めている。このセクターは世界排出量の22%を占めており、その半分は森林破壊によるものである。

今年初め、欧州議会は、EU域内で販売される自社製品がサプライチェーンにおいて森林破壊や森林劣化に寄与していないことを保証するよう企業に義務付ける新法を可決した。

同社は、野生生物、生物多様性、炭素蓄積、人権を保護しながら、公平で透明性のある、森林破壊のないレザーのサプライチェーンを構築することを目的としたTextile ExchangeとLeather Working Groupによるイニシアティブである「Deforestation-Free Call to Action for Leather」に署名し、新たなコミットメントを発表した。

本イニシアティブは、2030年またはそれ以前までに、森林破壊・転換のないサプライチェーンから牛革を調達することを約束するようブランドに求めており、参加ブランドには、農家や農業サプライチェーンと協力して森林破壊のない調達のための要件を設定すること、サプライチェーンをマッピングしリスクレベルを特定するための目標を設定し達成すること、追跡可能な森林破壊・転換のない革の供給を増やすための投資を行うこと、トレーサビリティシステムを導入すること、サプライチェーン全体で人権を尊重することを約束すること、進捗状況を報告することなどの要件が設定されている。

PUMAは、森林破壊と転換のない革の調達を確保するための重要な課題のひとつである、同社が使用する革の半分を占めるスエードについて強調した。同社によると、スエードには牧場レベルでのトレーサビリティの課題があり、ほとんどのスエードのなめし工場は、安定供給を保証するために、直接のなめし工場以外に、代理店や仲介業者と協力しているという。

【参照ページ】
(原文)Leather Working Group, Textile Exchange Call for ‘Deforestation-free’ Leather
(日本語訳)レザー・ワーキング・グループとテキスタイル・エクスチェンジが「森林破壊のない」レザーを求める

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-9-11

    ESMA、第2回リスク監視報告書を発表し、ESG投資の減速を指摘

    8月29日、欧州証券市場監督局(ESMA)は2024年の第2回リスク監視報告書を発表した。同報告書…
  2. 2024-9-11

    Microsoft、EDPRと20年間の再生可能エネルギー購入契約を締結

    8月26日、再生可能エネルギー生産会社のEDP Renewables(EDPR)は、Microso…
  3. 2024-9-11

    気候技術企業のCarbon Caputure、DACプロジェクトの一時停止を発表

    8月30日、気候技術企業のCarbon Caputureは、新たに声明を発表し、現在の同社の計画に…
ページ上部へ戻る