6月28日、Voluntary Carbon Market Integrity Initiative(VCMI)は、企業が炭素市場を利用し、信頼できる気候変動に関する主張を行うためのルールブックを提供することを目的とした、主張行動規範を発表した。
VCMIによると、新ルールブックは、企業が自主的炭素市場(VCM)に参加する際の市場の信頼性を高めることで、企業のネット・ゼロ経路の一環としてのVCM利用を促進することを目的としている。
温室効果ガスの放出を相殺するカーボン・オフセット・プロジェクトと関連クレジットに対する需要は、今後数年間で大幅に増加すると予想される。これは、企業やビジネスがますますネット・ゼロの野望を打ち出し、自らの絶対排出量削減努力への橋渡しとして、あるいは回避困難な排出量のバランスをとるために、オフセットに目を向けるようになるためである。しかし、規制なく急成長している炭素市場は、市場参加者が質の高いプロジェクトと低いプロジェクトを区別できず、プロジェクトの有効性を評価するデータが不十分であったり、一貫性がなかったりするなどの課題に直面している。
COP26のアロック・シャルマ議長によって2021年に発表されたVCMIは、気候変動対策に貢献し、国連SDGsの達成を支援する、整合性の高い自主的な炭素市場を実現するために、民間セクター、先住民、地域コミュニティ、政府などのステークホルダーと協力している。同団体のイニシアティブには、今回発表された需要サイドに焦点を当てたクレームコードや、供給サイドに焦点を当てたVCMアクセス戦略ツールキットなどがあり、政策立案者が自国の高統合性VCMへの参加を可能にする政策やプロセスを確立するのに役立つよう設計されている。
新しいクレーム・コードでは、温室効果ガス排出削減・除去への投資について、プラチナ、ゴールド、シルバーの3段階のクレームを導入し、「VCMIクレーム」を行うために必要なステップを概説している。これには、VCMIの気候戦略に関する基本基準を満たすこと、プラチナ、ゴールド、シルバーのクレームを選択すること、IC-VCM(Integrity Council for Voluntary Carbon Markets)の「コア・カーボン原則(CCPs)」に沿った厳しい品質基準を満たす炭素市場を選択すること、クレームを裏付ける情報を開示し、独立機関による検証・保証を行うことなどが含まれる。
【参照ページ】
(原文)Global launch: New VCMI Claims Code to accelerate corporate use of voluntary carbon markets as part of net-zero pathways
(日本語参考訳)VCMI、企業の炭素市場クレームに関する新ルールブックを発表