180以上の投資家グループ、消費財メーカーや小売業者にプラスチック使用量の削減を要請

1,340兆円投資家グループ、消費財メーカーや小売業者にプラスチック使用量の削減を要請

5月4日、10兆ドル(約1,340兆円)の運用資産に相当する180以上の投資家グループが、企業に対してプラスチックの使用を削減し、プラスチック使用による財務リスクに対処するよう求める共同声明に署名した。

本声明は、Investors for Sustainable Development (VBDO)が取りまとめたもので、主にプラスチック包装の大量使用者、特にコカ・コーラ、コストコ、P&G、ネスレ、ユニリーバ、ターゲットなどの消費財や食品小売分野の企業を対象としている。

署名者は、Amundi、Aviva Investors、AXA IM、LGIM、Mirova、Rockefeller Asset Managementである。

本声明は、企業や投資家がプラスチック汚染に関連する財務的、物理的、法的、技術的、規制的、風評的なリスクの増大に直面していることを示すものである。例えば、先月、カナダは、プラスチック包装のリサイクル率要件とプラスチック製品の表示・報告要件を導入する新規則を提案した。また、多くの地域で最近、使い捨てプラスチックの使用を禁止する法律が導入された。

投資家も、プラスチック関連のリスクについて透明性を求める声を強めている。先月、環境情報開示プラットフォームであるCDPは、136兆ドル(約1.8京円)の資産を持つ740人以上の投資家から開示の要望があったとして、企業がプラスチック関連の影響を報告する機能を開始することを発表した。

これらのリスクに対処するため、投資家向け声明では、使い捨てプラスチック包装の絶対的削減と再利用システムの導入を約束すること、製品や包装に含まれる有害物質の特定と使用廃止を約束し、その進捗を報告することなど、企業に対する一連の期待を示している。また、この声明では、新たな世界プラスチック条約の交渉に向けた取り組みなど、プラスチックの削減を提唱する政策を支持することを企業に期待することを概説している。

【参考ページ】
(参考記事)Investors managing $10 trillion urge faster corporate action on plastics

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る