EU、新車のゼロエミッションを義務付ける規則を採択

 

3月28日、欧州理事会は、2035年以降にEUで登録される新車とバンからのCO2排出量を100%削減するという要件を含む新規制を採択したと発表した。

本発表は、欧州委員会が提唱するロードマップ「Fit for 55」(2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を1990年比で55%削減するEUの戦略)の主要項目の1つである、EUにおけるより厳しいCO2排出性能基準の採用に向けた最後の大きな一歩となる。

新規制は2022年10月に欧州理事会と欧州議会で合意されたが、最終的な採択に至るまでには難題があり、ドイツは、カーボンニュートラル燃料(e-fuels)を使用することを条件に、2035年の期限後も内燃機関を許可するとの確約を要求していた。e-fuelsの使用に関する取り決めは、週末に欧州グリーンディール担当のフランズ・ティメルマンス上級副会長とドイツのフォルカー・ウィッシング運輸相によって発表された。

2035年の目標に加え、同規則には、2030年までに新車のCO2排出量を2021年比で55%、新車のバンを50%削減することを求める暫定目標も含まれている。

本規制は、ゼロエミッション交通への移行を可能にし、ゼロエミッション車への移行を阻害する消費者の燃料補給に関する懸念に対処することを目的としている。

【参照ページ】
(参考記事)EU approves law to end sales of new CO2-emitting cars by 2035

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る