3月13日、Emerging Markets Transition Investment (EMTI) プロジェクトは、現地に根ざしたエンゲージメントアプローチの原則に関するペーパーを発表した。
同プロジェクトは、資金ギャップが最も大きい新興市場および開発途上国(EMDEs)のネット・ゼロ移行への投資を加速させるために設立された。国際エネルギー機関の最新の調査結果では、世界人口の3分の2を占めるにもかかわらず、中国以外の新興国はクリーンエネルギー投資総額の5分の1以下であることが示されており、資金不足の深刻さを物語っている。
EMTIプロジェクトは、EMDEの投資動員のためのソリューションを特定するために、これまでに2回の円卓会議を開催した。2022年10月13日に開催された2回目のディスカッションでは、新興国での責任ある効果的なエンゲージメントに焦点を当て、「Code Red!」シリーズの2番目のペーパーである「新興市場における責任ある企業エンゲージメントに関する行動の呼びかけ」を作成した。
ディスカッションでは、ネット・ゼロへの移行を促進するために、地域に根ざしたアプローチの主要な必要性が強調された。本ペーパーでは、企業に影響を与える地域差を考慮したエンゲージメント・アプローチを開発するために、アセットオーナー、アセットマネージャー、規制当局のための指導原則と実践的推奨事項を挙げている。
今回掲げた指導原則は以下の通りである。
- 現地でのアプローチを確立する
- パリ協定の「共通だが差異ある責任」の原則をエンゲージメントに取り入れる
- 継続的なエンゲージメントを実施することにより、信頼を築く
- グローバルとローカルの投資家の間で知識を共有する
- 野心的な目標設定の実現可能性を考慮した、柔軟なエンゲージメント・アクエスチョンを開発する
これら5つの原則に基づき、本書は実践的な提言を行う。提言は4つのテーマに整理されており、そのうち3つはアセットオーナーやアセットマネージャーに関連する。
【参照ページ】
(原文)Emerging Markets Transition Investment project outlines principles for localised engagement approaches
(日本語参考訳)新興国移行投資プロジェクト、5つの指導原則を提示