INEOS主導のコンソーシアム、炭素回収・貯留における画期的な成果を発表

 

3月8日、デンマークのFrederik皇太子殿下は、ベルギーからデンマーク領北海の枯渇した油田に二酸化炭素を安全に注入するという世界初の試みを正式に開始した。

「Project Greensand」は、ベルギーのINEOSオキサイドサイトで回収された二酸化炭素が国境を越えて輸送され、最終的にデンマーク北海のINEOSが運営するニニ油田に安全かつ永久に貯蔵されるという、二酸化炭素貯蔵の実現可能性を初めて示すものである。

デンマークのエスビエルではこの成果を祝う「First Carbon Storage」イベントが開催され、「Project Greensand」コンソーシアムのリードパートナーであるINEOSとWintershall Deaが主催した。

本プロジェクトは、2030年までに、この地域で年間最大800万トンのCO2を貯蔵することを目指すとともに、炭素貯蔵技術に関する理解と成長に大きく貢献し続ける。

欧州委員会は、EUが気候目標を達成するためには、2050年までに最大で年間3億トンのCO2を貯蔵する必要があると見積もっている。

本プロジェクトは、企業、学術機関、政府、新興企業など、炭素回収・貯留の専門知識を持つ23の組織からなるコンソーシアムである。エネルギー技術開発・実証プログラム(EUDP)を通じて、デンマーク国から支援を受けている。CCSは、デンマークの2045年ネット・ゼロ目標達成のためのキーテクノロジーとされている。

ニニ油田に注入されたCO2は、海底下約1,800mの深さに貯蔵され、今後、厳重に監視される。

【参照ページ】
(原文)INEOS led consortium announces breakthrough in carbon capture and storage
(日本語参考訳)

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-4-2

    金融業界の95%のCO2排出は「間接的」:資金提供排出の実態

    3月6日、米信用情報大手のEquifaxが新たなブログを発表し、金融機関の温室効果ガス排出の約95…
  2. 2025-4-2

    サステナビリティの課題と機会 – 財務・ITとの連携が成功のカギ

    2月27日、ERM Sustainability Institute、Salesforce、Glo…
  3. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る