3月15日、Jeremy Hunt財務大臣は、原子力発電を英国のグリーン分類法において「環境的に持続可能」と分類し、再生可能エネルギーと同様の投資優遇措置が受けられるようになると発表した。
Hunt財務大臣は最初の予算演説の中で、原子力は「安価で信頼できる重要なエネルギー源」となり、「ネットゼロの義務を果たすためには、原子力容量の増大が不可欠」と述べた。
グリーン・タクソノミーを開発する取り組みは、2020年に当時のRishi Sunak理事長が、どの活動が環境的に持続可能であると定義できるかを判断するための共通の枠組みを提供し、企業の活動や投資が環境に与える影響についての理解を深めるとともに、持続可能な経済への移行を支援するために開始された。本規制は当初、2022年後半に法制化される予定だったが、少なくとも今年後半まで延期された。
英国のタクソノミー構想は、最近成立したEUのタクソノミーに続くもので、原子力とガスが追加されたことで、一部の加盟国や欧州委員会自身の持続可能な金融諮問グループが、循環経済、汚染防止、水・海洋など他のタクソノミーの目的に悪影響を及ぼす可能性があることや、核廃棄物の管理による長期的問題の可能性などの問題点を指摘して反対しており、議論を呼んでいる。
今回の予算では、気候変動に焦点を当てた取り組みとして、炭素回収利用貯留(CCUS)の早期開発支援に200億ポンド(約3兆円)が割り当てられたほか、エネルギー効率の改善に焦点を当てた追加施策も行われた。
持続可能な投資と金融のグループは、気候変動に焦点を当てた施策を歓迎する一方で、Huntが英国のネット・ゼロの取り組みをさらに推進したり、インフレ抑制法やグリーン産業計画など、米国とEUがそれぞれ打ち出したクリーンエネルギーと産業の主要パッケージに対応する必要性に取り組んでいないことを批判した。
予算では、政府は今月末にエネルギー安全保障と英国のネット・ゼロの取り組みを対象としたさらなる行動の概要を説明するとしている。
【参照ページ】
(参考記事)Jeremy Hunt wants nuclear power classed as ‘sustainable’: is it?
(日本語参考訳)英国、グリーン分類法において原子力を「環境的に持続可能」と分類