3月14日、責任投資NGOのShareActionは、Credit Suisseが石油・ガス政策を更新していないことを理由に気候変動戦略を「不満足」とし、投資家に反対投票を促した。
Credit Suisseは、気候戦略を発表し、当行の気候関連の目標とアプローチを概説し、炭素集約的ないくつかのセクターの中間資金による排出削減目標の公表を含めた。本戦略は、Credit Suisseの2022年版TCFD報告書の一部として、同行の年次報告書とともに発表され、来月の年次総会で協議投票に付されることになっている。
ShareActionの呼びかけは、2022年3月に同NGOが機関投資家グループの支援を受け、ShareActionに化石燃料融資へのエクスポージャーに対処するよう求めるキャンペーンを開始したことを受けたものである。同グループは昨年、Credit Suisseに対し、化石燃料への融資戦略を明確にし、そのエクスポージャーを削減する計画の概要と、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標に沿った同社の戦略に関する情報開示を求める株主決議を提出した。
決議の提出後、Credit Suisseは、オイルサンド、北極圏の石油・ガス、深海鉱業への融資を制限するなど、気候関連の融資方針の範囲を拡大し、2023年の年次総会で気候戦略を株主に提示して諮問投票を行うことを発表した。
Credit Suisseの気候変動戦略には、発電、商業用不動産、鉄鋼、アルミニウム、自動車などの分野における、当行の企業向け融資ポートフォリオからの排出量削減に関する2030年の新しい目標が含まれている。本目標は、昨年設定された石油・ガス・石炭部門と海運部門の2030年コミットメントに追加される。Credit Suisseは、TCFD報告書の中で、目標は、炭素会計金融パートナーシップ(PCAF)、ネット・ゼロ・バンキング連合(NZBA)、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)などのイニシアティブからのガイダンスを用いて策定されたと述べ、目標の検証のためにSBTiと関わっているところであるとしている。
Credit SuisseのTCFD報告書は、”気候変動に関する開示と2030年の目標に資本市場活動を含めるつもりではあるが、我々のアプローチは、一般的な業界基準を考慮し、投資銀行の再編に伴うCredit Suisseグループの将来の資本市場活動とともに発展していく “としている。
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(参考記事)Shareholders urged to vote against Credit Suisse’s climate policy