2月20日、欧州の投資業界の中心的な業界団体である欧州ファンド・資産運用協会(EFAMA)は、EUの市場規制機関である欧州証券市場庁(ESMA)が発表した投資ファンドの名称におけるESGまたは持続可能性関連用語の使用に関する規則案は、グリーンウォッシュリスクから投資家を保護するという本来の目的を達成しないだろうと述べた。
ESMAは2022年11月に規則案を発表したが、これは投資商品のESG特性について投資家が誤解しないように、ファンドのESGまたは持続可能性関連用語の使用について資産運用会社に明確な基準を提供することを目的としたものである。
コンサルテーションに含まれる提案は、主にESG関連ファンドの名称を裏付けるために必要な最低限の 投資比率に焦点を当てたものである。具体的な提案としては、ESG関連用語の使用に関する80%の基準、”sustainable “や持続可能性関連 用語の使用に関する50%の追加基準、除外基準を用いるファンドやインパクトファンドなどの特定タイプの ファンドに関する規則がある。
しかし、EFAMAはESMAの新規則に関するコンサルテーションへの回答で、規制当局が提案する基準値アプローチについて、MiFIDやEUの持続可能金融情報開示規則(SFDR)など他の規制システムとの相互運用性の問題や、「何が持続可能投資とみなされるのかなど、持続可能金融に関する多くの主要概念が明確でない」などの懸念事項を挙げた。
EFAMAの回答はまた、”ESG “と “持続可能 “という用語の使い分けが、一般的に両者の区別がつかない個人投資家に混乱をもたらす可能性があることを示唆した。
透明性を促進し、グリーンウォッシュリスクに取り組む努力を支持する一方で、EFAMAは回答コメントの中で、ESMAの提案する基準はSFDRの要求事項を超えていると述べ、”もし本当に追加のルールや基準が必要なら、共同立法者の裁量に任せるべきでESMAガイドラインの一部にはするべきではない “と主張している。
もし規制当局が進めることを決定した場合、EFAMAはESMAが明確さと相互運用性の問題が解決されるまでガイドラインを延期するか、提案を修正するべきだと提案した。
【参照ページ】
(原文)230221 EFAMA RESPONSE to ESMA CP FUNDS NAMES