12月29日、国際財務報告基準(IFRS)財団の評議員は、中国財政部と協定を締結し、国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)の事務所を北京に開設する予定であることを明らかにした。
昨年のCOP26で発足したISSBは、現在、企業の持続可能性と気候関連の開示に関する最初の2つの基準案を今年末頃に策定し、早ければ2023年に最終基準を発行することを目指している。欧州、英国、米国など世界の主要な管轄区域の規制当局は、企業に対する持続可能性報告義務付け要件を導入または準備中であり、そのほとんどがISSB基準の影響を大きく受けると思われる。
中国はまだ企業に対する持続可能性報告義務化制度を導入していないが、中国企業改革発展協会(CERDS)は6月に国内初の自主的ESG開示基準を発表し、中国証券監督管理委員会(CSRC)は今年初め、情報開示の国際互換性を高め、グローバル投資家の投資を可能にするためにISSB基準の採用を支持する意向を示した。
中国がISSB基準を採用することは、世界の企業が一貫したルールとガイドラインに基づいてESGデータを提供する能力に大きな影響を与え、基準は、Scope3の温室効果ガス排出量の報告など、企業のサプライチェーンに報告要件を拡大することになる。
IFRS財団によると、北京事務所は2023年に開設される予定で、スタッフはISSBの新興国・途上国向け戦略の遂行と、アジアにおけるステークホルダー参画の拠点としての役割に注力するとのことだ。
【参照ページ】
(原文)IFRS Foundation and MoF China sign an MoU to establish an ISSB office in Beijing
(日本語参考訳)IFRS財団と中国財政部が北京にISSB事務所を設置するMoUに調印