JetBlue、2035年までに座席あたりの排出量を半分に削減

JetBlue、2035年までに座席あたりの排出量を半分に削減

12月6日、航空会社JetBlueは、2035年までにジェット燃料に関するライフサイクル排出量を収入トンキロメートル(RTK)あたり50%削減するという新たなコミットメントを発表し、低炭素ソリューションに大きく焦点を当てた、2040年までにネット・ゼロ・エミッションを達成する計画の詳細な概要を提供した。

JetBlueは、本目標がScience Based Targets initiative(SBTi)によって承認され、昨年発表した2040年のネット・ゼロの誓約と整合するものであるとして、これまでで最も積極的な短期排出量削減目標であると述べている。

また、2035年および2040年の目標達成に向けたロードマップを詳述した「JetBlue Projected Emissions Reduction Pathway」を公開した。本ガイダンスでは、持続可能な航空燃料(SAF)への移行が、同社の脱炭素化戦略において重要な役割を果たし、排出量削減を半分以上担うと予想されている。同社は、2030年までに航空会社全体の燃料の10%をSAFに転換するという目標の達成に向けて順調に進んでいると表明している。同社は最近、Fidelis New Energy、AIR Company、NesteなどのサプライヤーとSAF調達の契約を結んだ。

さらに、同社の排出量削減戦略として、新型・高性能航空機への移行や、次世代航空機の効率改善など、航空機技術や燃料効率の向上、航空管制の近代化等のイニシアティブが提唱されている。

本戦略には、高品質の炭素除去およびオフセットへの投資も含まれているが、JetBlueは低炭素ソリューションを優先する方針である。ロードマップでは予測削減量の5%のみを炭素除去およびオフセットに割り当てている。同社は、2023年まで国内線の自主的なカーボンオフセットを中止し、オフセット費用を排出量削減のための運航投資に充てることを選択したと述べている。

JetBlueは、SAFが従来のジェット燃料とコスト競争力を持ち、OEMが新しいエンジンや機体の設計などの技術改良を進め続けることを前提とした計画で、同戦略と目標達成能力は、業界と政策立案者からの支援に依存すると指摘した。

【参照ページ】
(原文)JetBlue Announces Science-based Emissions Reduction Target and Strategy to Achieve Net Zero by 2040

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