11月22日、米国労働省(DOL)は、民間雇用者主催の退職年金制度(ERISA)において気候・ESG要素の考慮を認める最終規則を発表した。本発表は、投資プロセスにおける気候・ESG要素の統合を阻止していたトランプ時代の規則を大きく覆すことになった。
新規則では、委任状投票など株主の権利を行使する際に、受託者が気候やESG要因を考慮することも可能になる。
2020年6月、トランプ政権のDOLは、ERISAプランにおけるESG投資に事実上厳しい制限を設ける規則案を発表した。投資家やサステナビリティを重視する団体から、同提案は時代遅れで逆効果であるとして大きな反発があったが、同年末にDOLによって最終決定された。
2021年5月、バイデン大統領は、気候関連の金融リスクを軽減するために行動し、同リスクからの投資家の貯蓄・年金の保護を連保政府機関に指示する行政命令の一環として、労働省にトランプ時代の規則の取り消しを検討するよう指示した。
DOLは、ESG要素の統合を認める一方で、気候変動やその他のESG要素が投資に与える経済的影響など、「リスクとリターンの分析に関連すると受託者が合理的に判断した要素に基づく必要がある」ことを明確にする文章を追加している。
【参照ページ】
(原文)US DEPARTMENT OF LABOR ANNOUNCES FINAL RULE TO REMOVE BARRIERS TO CONSIDERING ENVIRONMENTAL, SOCIAL, GOVERNANCE FACTORS IN PLAN INVESTMENTS
(日本語訳)米国労働省、退職年金制度における気候変動・ESG投資を認める