Nori、8億円超を調達、新CEOを任命

6月6日、炭素除去マーケットプレイスNoriは、625万ドル(約8億7,000万円)を調達し、取引所のベテランであるMatt Trudeauを新CEOに任命したことを発表した。

今回の発表は、昨年発表したバイエル社との協業による過去最大の炭素除去クレジットの販売をサポートするために、マーケットプレイスの規模を拡大する準備を進めるとともに、マーケットプレイスで提供する炭素除去製品の拡充を図るものであると同社は述べている。

温室効果ガスの放出を打ち消すカーボンオフセットプロジェクトと関連するクレジットの需要は、今後数年間で大幅に増加すると予想される。企業や事業者がネット・ゼロを目指す動きが活発化し、自社の絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が難しいバランスとしてオフセットに目を向けるからである。

しかし、炭素クレジットの市場は、流動性の欠如、プロジェクトの有効性を評価するためのデータの不足または一貫性の欠如などの問題がある。

2017年に設立されたシアトルのNoriは、大規模な炭素市場の創設を通じて、炭素除去産業の規模を拡大し、気候変動への対応に貢献することを目的としている。同社は、市場主導型のソリューションを開発し、大気中から1兆5,000億トンのレガシーな二酸化炭素を除去することを目標に掲げている。

Matt Trudeauは、電子取引、フィンテック、資本市場、暗号通貨、暗号資産、ブロックチェーン技術に焦点を当てた新興企業やビジネスに対する戦略的コンサルティングとアドバイザリーを行う10x Marketsでマネージングパートナーを務めた後、Noriに入社した。規制された金融市場、市場構造、取引技術、ブロックチェーンにまたがる分野の専門知識を持ち、12の市場立ち上げを主導または支援した。同社の創業CEOであるPaul Gambillは、最高製品責任者として取締役に留まる。

今回の資金調達ラウンドは、既存の投資家であるM13、Toyota Ventures、Placeholder、Cargillが主導した。新ラウンドの完了により、Noriは1,700万ドル以上の資金を調達した。

【参照ページ】
(参考記事)Carbon removal startup Nori raises $6.25M from Toyota and others; names new CEO

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  2. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…
  3. 2025-9-10

    AI対応液冷データセンター共同開発、テキサスでENGIEとプロメテウス

    9月2日、ENGIEノースアメリカは、サステナビリティ志向のハイパースケールデータセンター開発企業…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る