チューリッヒ、カーボンフットプリントを測定・対処するツールをサプライヤーに提供

4月11日、世界的な保険会社であるZurich Insurance Group(チューリッヒ・インシュアランス・グループ)は、サプライチェーンにおける脱炭素化を目指し、サプライヤーが自らの炭素排出量を測定するためのツールやリソースを提供する新しいイニシアティブを発表した。

本取り組みは、チューリッヒが昨年発表した、約20億ドル(約2,673億円)の調達費用の75%を占めるサプライヤーが、2025年までに科学的根拠に基づく排出削減を掲げ、2030年までにネット・ゼロを目指すという目標に続き、チューリッヒ自身のネット・ゼロ達成を従来の2050年から2030年に早めるという目標である。

チューリッヒは、サプライヤーが自らのカーボンフットプリントを計算し、ネット・ゼロ達成に向けたステップを決定できるよう、気候に関するトレーニング資料をサプライヤーに提供するほか、炭素会計会社のNormativeと提携し、同社のBusiness Carbon Calculatorへの無料アクセスを提供すると発表した。

昨年発表されたNormativeのBusiness Carbon calculatorは、小規模企業向けに最適化されている。本サービスでは、企業の直接および間接的な排出のCO2排出量を推定し、データを可視化することで、企業が排出量のホットスポットを指摘し、対策のための重点領域を特定することができる。

同社は、2050年までに投資ポートフォリオのネット・ゼロを達成することを公約に掲げている。2021年3月には、上場株式・債券投資の炭素強度を2025年までに25%、直接不動産投資については30%削減する計画を導入し、ポートフォリオ企業に対してパリ協定に基づく排出削減目標を設定した。同社は2021年9月、航空機の大幅な削減や保有車両からの内燃機関車の廃止などの施策を発表した。

【参照ページ】
(原文)Zurich helps suppliers transition to net-zero
(日本語訳)チューリッヒ、カーボンフットプリントを測定・対処するツールをサプライヤーに提供

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る