米プリンストン大学の5兆円超の基金、化石燃料企業への出資から撤退

 

9月、米プリンストン大学の380億ドル(約5兆5,000億円)の寄付金は、大学の化石燃料解離政策の一環として、またネット・ゼロ・ポートフォリオを達成するための取り組みの一環として、上場化石燃料企業の保有をすべて解消することを発表した。

また、同基金の運用会社であるプリンストン大学インベストメント・カンパニー(PRINCO)は、同基金がこれらの企業へのエクスポージャーから利益を得ることがないようにするという。

本発表は、プリンストン大学が昨年、ポートフォリオにおけるネット・ゼロ・エミッションの達成目標日を設定し、化石燃料産業の一般炭やタールサンドに関わる企業、あるいは気候変動に関する偽情報キャンペーンに関与する企業との関係を断つプロセスを確立したことを受けて行われたものである。化石燃料の提携解消基準は、化石燃料産業に関わる企業の過去の行動ではなく、現在および将来の行動に基づいており、温室効果ガスの排出に関する厳格な基準を満たすことが証明できれば、企業は提携解消を免除される可能性がある。

同大学は1日、評議員会が化石燃料産業の一般炭やタールサンドの分野で活躍する90社との提携解消を決議したと発表した。本リストには、Exxon、Imperial Oil、TotalEnergiesなどが含まれている。

同大学は、これらの企業から手を引くだけでなく、これらの企業と金銭的な関係を持つことを避け、贈り物や補助金の勧誘、受領、製品の購入も行わない方針である。

同大学は、プリンストン大学でのエネルギー研究を支援するための基金を新たに設立し、本決定により受けられなくなる研究費の一部を補うとしている。

【参照ページ】
(原文)Princeton dissociates from segments of fossil fuel industry
(日本語訳)プリンストン大学の5兆円超の基金、化石燃料企業への出資から撤退

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る