11月2日、Amazonは、AmazonとThe Climate Pledgeが米調査会社Forresterに委託し、アジア太平洋5か国(日本、オーストラリア、中国、インド、シンガポール)の企業を対象に実施した「気候変動対策に関する意識調査」の結果を発表した。日本では約7割の企業が外部との協業を重視している一方、同業者・異業種間でのネットワーク不足が協業の課題となっていることが明らかになった。
調査は2022年9月、上記5か国に本社を置く、もしくは事業を展開する企業においてサステナビリティ戦略・施策を担当する、経営幹部から管理職クラスまでの各国150名を対象にオンラインで実施した。
調査の結果、日本の企業においてネット・ゼロ・カーボンの達成に向けた主な課題は「求められる変革の複雑さと巨大さ(24%)」、「予算や資金の不足(23%)」、「国内外の規制に対する理解の不足(22%)」であることが分かった。
ネット・ゼロ・カーボンに向けた取り組みを進める上で、日本の企業の約7割(67%)が外部との協業が重要であると回答している。協業を希望する分野として、森林の保護など自然を通して課題解決を行う「自然共生型ソリューション(53%)」が最も多く、次いで「輸送・物流の脱炭素化(42%)」、「再生可能エネルギー(40%)」となっている。協業先として重視するのは、デジタルトランスフォーメーションなどの「技術的なパートナーシップ(76%)」が最も多く、業界内の取り組みへの参加などの「業界内での連携(65%)」が続いている。
また、企業が協業を通して期待することは「サステナビリティに関心を持つアナリストや投資家のESG評価の向上(85%)」、「連携する組織や団体、同業者内で自社の存在感を高めること(83%)」、「主要な市場における環境政策に影響を与えること(81%)」である。
一方、協業における課題としては「同業者や異業種間でのネットワークの不足(63%)」が最も多く、次いで「ベストプラクティスの共有や学びあう機会の不足(31%)」を挙げている。
今回、日本から調査に参加した約3割(29%)の企業が、パートナー企業・団体との戦略的な連携は、サステナビリティ活動を進める上での方向性のひとつであると回答していた。
協業の成果として、調査対象の5か国全体で、サプライチェーンを含む「スコープ3」の排出削減に向けてすでに他社と協業している企業の約4割(41%)は、関連する規制で求められる要件に先手を打って対応できていた。一方、協業に取り組めていない企業では、その割合は3割にとどまっている。また、政策提言の分野においてすでに他社と協業している企業で、同業者のネットワークやリソースが不足していると回答した割合は16%であった。これは、まだ協業に取り組んでいない企業で、同様の課題に直面していると回答した企業の割合 (26%)よりも低い結果となった。
【参照ページ】
アジア太平洋5か国における気候変動対策に関する意識調査