9月20日、CRMソリューションプロバイダのSalesforceは、環境に配慮した起業家と買い手を結び付け、カーボンクレジットの購入をシンプルで透明性の高いものにすることを目的とした新しいカーボンマーケット「Net Zero Marketplace」の立ち上げを発表した。
Net Zero Marketplaceは、炭素クレジットプロジェクトのプロバイダー、バイヤー、第三者評価機関を集めたものである。
温室効果ガスの排出を抑制するカーボンオフセットプロジェクトや関連クレジットに対する需要は、今後数年間で大幅に増加すると予想されている。これは、企業や事業者がネット・ゼロの目標を打ち出し、自社の絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が難しいバランスをとるためにオフセットに目を向ける傾向が強まっているためだ。
しかし、炭素クレジットの市場は、流動性が低く、プロジェクトの有効性を評価するためのデータが不十分または一貫性がないなどの問題がある。
新市場では、市場の不確実性を排除するため、アカウント登録や有料コンテンツの追加を必要とせず、第三者による評価を集約・公開する予定である。 Salesforceは、Calyx GlobalやSylveraなど、複数の第三者評価機関がNet Zero Marketplaceの設立パートナーとして参加したと発表した。
新市場は、Salesforceのeコマース・プラットフォームであるCommerce Cloud上に構築され、買い手と「エコプレナー」を結びつけ、脱炭素化を支援するさまざまなプロジェクトを提供する。プロジェクトには、森林保護・植林・風力発電・太陽熱調理器・より良い農法などが含まれる。
炭素クレジットプロジェクトは、グローバルスタンダードに照らした一連の独立した検証を含む検証プロセスを経ており、買い手はプロジェクトの説明、国連の持続可能な開発目標(SDGs)との整合性、そして多くの場合、第三者による公式評価を確認することが可能である。
本市場は、10月に米国で炭素クレジット購入のために開設され、2023年には他の市場も追加される予定だ。開設時には、11カ国で約90のプロジェクトが提供されるという。
【参照ページ】
(原文)Salesforce Announces First-of-Its-Kind Carbon Credit Marketplace, Empowering Any Organization to Take Climate Action on Their Journey to Net Zero
(日本語訳)セールスフォース、初のカーボン クレジット マーケットプレイスを発表