カナダ、フォルクスワーゲン・メルセデスベンツとEVおよびバッテリーのサプライチェーン契約を締結

8月23日、カナダ政府は、ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツおよびフォルクスワーゲンと、EVおよびバッテリーのサプライチェーンとカナダ国内での製造における、協力関係の強化と投資の促進を目的とした新しい協定を締結したと発表した。

世界中の自動車メーカーが数十億ドルを投じてEVの生産能力を増強し、EV生産のためのグローバルなサプライチェーンの確立と、EVの大量生産に必要な原材料の調達を目指している中、本発表は行われた。例えば、メルセデス・ベンツは昨年、オール電化に向けて2030年までに400億ユーロ(約5.5兆円)以上を投資する計画を発表した。フォルクスワーゲンは、2030年までに欧州での販売台数の70%以上をオール電化車にすることを約束し、新車の完全電動化も目指している。

本合意は、今年初めにカナダの2030年排出削減計画が発表されたことを受けたもので、炭素価格やクリーンエネルギーの拡大から、炭素回収の開発、ゼロエミッション車のインセンティブに至るまで、さまざまな取り組みが行われている。カナダは昨年、2030年までに温室効果ガスを40~45%削減する目標を発表し、2050年までに排出量ゼロを目指す同国の公約の最初の主要ステップを形成している。

カナダの2030年戦略には、2026年までに軽自動車の新車販売の20%以上をゼロエミッション車とし、2030年までに60%、2035年までに100%とする販売義務を導入する計画が含まれている。

また、カナダは今年、グリーンおよびデジタル移行に必要な重要な鉱物資源とバリューチェーンの開発を目的とした「重要鉱物資源戦略」を実施する計画を発表した。バッテリー、EV、クリーンテック関連の主要材料として、リチウム、グラファイト、ニッケル、銅、コバルト、希土類元素などが取り上げられている。

【参照ページ】
(原文)Canada strikes historic partnerships with leading German automakers Volkswagen and Mercedes to help meet growing demand for clean transportation solutions
(日本語訳)カナダ、フォルクスワーゲン・メルセデスベンツとEVおよびバッテリーのサプライチェーン契約を締結

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る