Moody’s、ESGクレジット・インパクト・スコアの対象をヘルスケア、農業、運輸・物流企業へ拡大

7月25日、信用格付、リサーチ、リスク分析を提供するMoody’s Investors Serviceは、ESG プロファイルとクレジット・インパクト・スコアを、ヘルスケア・サービス、タンパク質・農業、陸上輸送・物流を含む新しいセクターに拡大したことを発表した。

Moody’sは、各企業のリスク・エクスポージャーや信用影響の度合いなど、ESGの考慮事項を企業の信用分析に統合している。報告書には、発行体プロファイル・スコア(IPS)とクレジット・インパクト・スコア(CIS)の2種類のESGスコアが含まれている。IPSスコアは、信用リスクの材料となり得るESGの考慮事項に対する発行者のエクスポージャーを測定し、CISは、それらのESGの考慮事項が発行者の信用格付に与える影響を測定する。

Moody’s の報告書では、各セクターの総合評価が示されている。ヘルスケア関連企業については、ESGの考慮は全体として信用に中程度のマイナスの影響を及ぼし、主に社会的リスク(顧客との関係、人口動態や社会的傾向、人的資本、責任ある生産など)により、患者にサービスを提供する企業ほどその影響が大きくなっている。環境リスクは、異常気象の影響を受けやすい地域で事業を行う企業や、ヘルスケア製品の販売会社など、輸送車両を利用する企業でより大きなエクスポージャーがある。

タンパク質・農業関連企業は、ESG課題による信用への影響が全体的に中程度と評価され、環境・社会的配慮への高いエクスポージャーは、保守的な財務戦略によってほぼ相殺されている。土地と水への依存度が高いため、ほぼ全ての企業が高い環境リスクにさらされており、多くの企業の社会的エクスポージャーは、サプライチェーン、森林破壊、家畜の汚染の可能性の問題に起因している。

陸上輸送とロジスティクスに関しては、ESGの考慮による信用への影響は、ほとんどの企業で中立から低いか中程度のマイナスとなっており、環境要因(特にトラック輸送、鉄道、宅配便会社による排出量削減の必要性)によるマイナスの影響が、強力なガバナンス特性によって相殺される形となっている。

【参照ページ】
(原文)Moody’s Expands ESG Credit Impact Scores To Cover Healthcare, Agriculture, Transport & Logistics Companies
(日本語訳)Moody’s、ESGクレジット・インパクト・スコアの対象をヘルスケア、農業、運輸・物流企業へ拡大

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