3月29日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)によると、セクター別の欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の公表が延期されることになった。
本基準は、EUの「企業サステナビリティ報告指令(CSRD)」の下、企業がサステナビリティに関する影響や機会、リスクを報告するための規則と要件を定めている。
CSRDは、2024年初頭より大企業から適用開始される予定で、現在のEUのサステナビリティ報告の枠組みである2014年の非財務報告指令(NFRD)を大幅に更新することを目的としている。新規則では、サステナビリティの開示が求められる企業数が現在の約12,000社から50,000社以上に大幅に拡大され、企業が環境に与える影響、人権や社会基準、サステナビリティに関するリスクについて、より詳細な報告要件が導入される予定である。
EUが過半数を出資する民間団体であるEFRAGは、2020年6月に欧州委員会から、NFRDの改訂の一環として、EUの新しいサステナビリティ報告基準の準備を義務付けられた。2021年5月、EFRAGはCSRDの報告基準の開発を要請され、2022年11月、EFRAGはセクターを問わない基準の草案を提出し、2023年後半には最初のセクター別基準の公表が予定されている。
【参照ページ】
(原文)EUROPEAN COMMISSION CALLS ON EFRAG TO PRIORITISE IMPLEMENTATION SUPPORT FOR THE FIRST SET OF ESRS
(日本語訳)EU、セクター別サステナビリティ報告基準の策定を延期