Shell、森林保全のための炭素クレジットプロジェクト開発会社Carbonextに50億円を投資

7月11日、Shell Brazilは、アマゾンの森林保護・再植林・バイオエコノミー開発を支援するため、森林保護炭素クレジットプロジェクト開発会社であるCarbonextに2億レアル(約50億円)の出資を発表した。

本出資により、Shell BrazilはCarbonextの少数株主となり、同国における自然共生型ソリューション事業への参入を果たす。

Carbonextは、ブラジルで最大のREDD+(森林減少・劣化からの排出削減)プロジェクト開発会社であり、約200万ヘクタールのアマゾン熱帯雨林を保全している。本取り組みによって得られた炭素クレジットは、顧客に販売される。Carbonextは、2021年以降、アマゾン森林の最も脆弱な部分の保全植生面積を340%増加させている。

今回の投資で得た資金は、Carbonextがアマゾンの森林におけるバイオエコノミーや森林再生などの新規事業分野を開拓し、森林保全製品に組み込まれる技術に投資するために使われる。また、Carbonextは、炭素クレジットを創出するプロジェクトを立案・管理できる林業専門家のチームを拡充する予定だ。

本発表は、Shellが2021年に発表した「Powering Progress」戦略に続くもの。短期および中間目標の設定、再生可能エネルギーおよびクリーンエネルギーソリューションへの投資など、2050年までにスコープ1、2、3の排出量全体でネット・ゼロのエネルギー事業となるという目標を達成する方法を詳細に説明している。

【参照ページ】
(参考記事)Carbonext Receives $40 Million from Shell for Carbon Credit Projects in Brazil’s Amazon
(日本語訳)Shell、森林保全のための炭素クレジットプロジェクト開発会社カーボネクストに3800万ドルを投資

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る