エネルギー大手Shell、欧州最大規模の再生可能エネルギーによる水素製造プラントを建設へ

7月6日、エネルギー大手であるShellは、欧州最大の再生可能エネルギーによる水素プラント「ホランド・ハイドロジェンI」の建設を進めるための最終投資決定を行ったと発表した。

2025年の操業開始を予定しているこのプラントでは、産業および運輸部門で使用される1日最大6万キログラムの再生可能水素を製造する予定だ。今年初め、Shellはthyssenkrupp Uhde Chlorine Engineersと、ロッテルダム港に同プラントの200MW電気分解機を建設することで合意していた。

【関連記事】thyssenkrupp、オランダのグリーン水素ハブ向けに200MWの電解プラントをシェルに供給

水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられており、特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的ではない、排出量の削減が困難なセクターにとって重要な役割を担っている。

しかし、宇宙で最も豊富な元素であるにもかかわらず、地球上に純粋な水素は存在せず、他の物質から水素を取り出す必要がある。抽出プロセスでは、しばしば汚染物質や温室効果ガスが排出される。そのため、再生可能エネルギーによる電解プロセスを用いて水から水素を抽出するなど、クリーンな抽出プロセスを開発するためには、多大な投資が必要だ。

Shellは、今回の新プラントにおいて、洋上風力発電所「ホランドセ・カスト・ノード」で発電された電力を利用して水素を製造することを目指している。

【参照ページ】
(原文)Shell to start building Europe’s largest renewable hydrogen plant
(日本語訳)Shell、欧州最大規模の再生可能エネルギーによる水素製造プラントを建設へ

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025-6-30

    ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025年6月20日、欧州証券市場監督局(ESMA)が策定を進める新たなESG評価規則「Regul…
  2. 2025-6-26

    EU炭素国境措置、簡素化で合意 中小企業の9割が対象外に

    6月13日、欧州議会とEU理事会は、域外からの輸入品に事実上の炭素税を課す「炭素国境調整メカニズム…
  3. 2025-6-25

    IFRS財団、ISSB基準の実務導入を支援する新eラーニングモジュールを公開

    6月13日、IFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した基準の理解と導入を…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る