6月14日、オーストラリアの企業・市場・金融サービス規制当局であるASICは、グリーンウォッシングを警戒し、投資ファンドや金融商品の提供者に対して誤解を招くサステナビリティの主張に注意するよう警告した。ASICは、ファンドマネージャーや発行者がグリーンウォッシングを行わないようガイダンスを提供している。
ASICの警告は、世界中の規制当局がグリーンウォッシングに対抗する努力を強めている中で行われた。5月、米国証券取引委員会(SEC)は、BNYメロン投資顧問が、同社のいくつかの投資信託で投資判断に用いたESG配慮について虚偽記載と省略を行ったとして起訴したと発表している。また、ドイツ銀行の投資部門であるDWSのアソカ・ヴォーアマンCEOが辞任した翌日、同社におけるグリーンウォッシング疑惑に関する調査の一環として、警察が同社のフランクフルト事務所に踏み込んだことも報じられている。ゴールドマン・サックスは、同社のESGをテーマにしたファンドの一部についてSECが調査を行っているとのメディア報道を確認した。
規制当局は、ファンド・マネージャーや発行者がサステナビリティ関連商品を宣伝・提供する際に、グリーンウォッシュを回避するための情報シートをウェブサイトに掲載している。情報シートには、開示義務、サステナビリティ関連要因がどのように投資戦略に組み込まれているかについての明確な説明の提供、曖昧で根拠のないあるいは誤解を招く用語や主張の回避、指標や目標の使用などを包含するガイダンスが含まれている。また、ASICは、商品ラベルや商品名におけるサステナビリティ関連用語の使用に関する慣行についても概説している。
また、Longo氏は講演の中で、気候変動に関する情報開示の義務化に対応するための準備を企業に求めることも示唆した。同氏は米国SEC、EUのEFRAG、英国を含むいくつかの国の規制当局や法律家が、気候変動関連の企業情報開示の義務化を導入または提案している一方で、オーストラリアはこれまで、気候問題に関する任意報告の提供を発行者に指導してきたに過ぎないと述べている。
【参照ページ】
(原文)How to avoid ‘greenwashing’ for superannuation and managed funds
(日本語訳)オーストラリア証券規制当局、グリーンウォッシュへの警戒を表明