ソフトウェア企業Emerson、2045年までにバリューチェーンからの排出をネット・ゼロに

6月14日、テクノロジー・エンジニアリング・産業用ソフトウェアのグローバル企業であるEmerson(エマソン)は、2045年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)の排出をネット・ゼロにするという新しい気候目標を発表した。エマソンは、Scope 1、2、3の排出量を90%削減し、残りの10%は高品質のカーボンニュートラル化活動(カーボンオフセット)に依存するという、主に排出量の絶対削減によって新しい目標を達成する予定だ。

また、エマソンは2030年の短期目標として、2021年を基準として、Scope 1と2の排出量を事業全体でネット・ゼロにし、Scope 3の排出量を25%削減する。

同社は、2030年までに再生可能な電力を100%調達、製品ライフサイクル評価を用いて製品ポートフォリオのCO2排出量を削減、エネルギー効率の高いソリューションを世界各地の事業所に統合、クリーンエネルギー技術を通じて顧客の電力網脱炭素化を支援、公共部門と協力、などを含む詳細なネット・ゼロロードマップを発表した。

2030年の目標は、 パリ協定の目標達成に求められる1.5℃経路と整合するものとして承認された。エマソンはまた、SBTiのネット・ゼロ基準に沿った2045年目標の検証を目指す。

エマソンの新しい目標は最新のESG報告書に概説されており、2030年までに世界の女性の割合を40%に、米国の少数民族の割合を30%に倍増するという長期的な多様性目標も掲げられている。

【参照ページ】
(原文)Emerson Announces Net Zero Targets, Issues 2021 ESG Report
(日本語訳)Emerson、2045年までにバリューチェーンからの排出をネット・ゼロにすることを約束

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る