JERAとbp、洋上風力大手「JERA Nex bp」発足 世界13GW規模の案件を保有

8月1日、JERAとbpは50:50出資による新会社「JERA Nex bp」の設立を完了した。本社はロンドンに置かれ、世界規模で洋上風力発電の開発・所有・運営を行う。保有案件は総発電容量13GW(稼働中約1GW、開発中7.5GW、確保済みリース4.5GW)に及ぶ。

新会社はまず既存パイプライン案件の優先開発に注力し、欧州・アジアの運転資産を安全かつ効率的に運営する方針だ。外部資本や競争力ある資金調達を活用し、価値に基づくポートフォリオ最適化を継続的に進める。

CEOナタリー・ウーステルリンク氏は、東西を代表するエネルギー企業の経験、関係網、調達力、世界的アクセスを結集することで、洋上風力から新たな価値を創出し、世界有数の企業を目指すと述べた。bpガス・低炭素エネルギー部門副社長ウィリアム・リン氏は、JVによって低炭素エネルギーポートフォリオの最適化が進み、長期的な価値創出が可能になると強調した。

JERA再生可能エネルギー最高責任者の矢島聡氏は、bpとの協業によりJERAの再エネ戦略の成長が加速したとし、本JVが脱炭素社会の実現に貢献する礎になると述べた。日本国内では「JERA Nex bp Japan」も発足し、山田雅人氏がCEOに就任する。

経産省松尾健彦審議官は、日英両国企業の高い専門性と能力を結集した協業は意義深く、世界的な洋上風力推進における重要な役割が期待されると評価。英政府のジャパン貿易特使シャロン・ホジソン氏も、日英協力がクリーンエネルギー推進における役割を拡大していると述べた。

(原文)ERA and bp launch offshore wind joint venture JERA Nex bp

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る