UNEP FI、マクロ経済モデルを用いた短期的な気候関連ショックを分析

5月、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は、 英国の国立経済社会研究所(NIESR) と協力し、 マクロ経済モデルを用いて金融関係者の短期的な気候関連ショックを分析したレポートを発行した。

気候変動がもたらすマクロ経済への影響は、金融機関にとって大きな信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクをもたらす可能性がある。これらのリスクを考慮し、多くの企業がマクロ経済的な影響を気候シナリオ分析に組み込むことを検討し始めている。

本レポートは、UNEP FIのTaskforce on Climate-related Financial Disclosures (TCFD) プログラムの一環として、UNEP FIとNIESRが開発した3つの新しい気候主導型マクロ経済ショック・シナリオを特集している。3つの短期シナリオは、「炭素価格の急激な上昇」「原油価格の高騰」「貿易戦争」である。

本レポートでは、上記のシナリオが金融機関に与える経済的影響についての詳細な分析と、短期シナリオを利用する際の推奨事項を提示している。さらに、金融セクターが気候変動シナリオ分析を強化するための方法も提案している。

【参照ページ】
(原文)ECONOMIC IMPACTS OF CLIMATE CHANGE: EXPLORING SHORT-TERM CLIMATE-RELATED SHOCKS WITH MACROECONOMIC MODELS

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