5月18日、持続可能なビジネスと投資に焦点を当てた団体であるWe Mean Business Coalitionは、世界的に一貫した開示システムを構築するために、世界の基準設定者と規制当局に対して、それぞれのサステナビリティ報告イニシアティブの調整と調和を促す新しい書簡を発表した。
本書簡は、企業が投資家やその他のステークホルダーにサステナビリティの状況、進捗、計画を伝えるためのルールや基準を作成するために、複数の組織が同時に取り組むことによって生じる独自の機会を強調するとともに、不整合によるマイナス面の可能性について警告している。
また本書簡では、米国証券取引委員会(SEC)、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)、IFRSの国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)のサステナビリティ報告の取り組みについて述べている。SECは米国企業に気候変動報告義務を導入する計画、EFRAGはEUの次期企業持続性報告指令(CSRD)に向けた欧州持続性報告基準の策定、ISSBは企業の持続可能性と気候関連開示のための国際基準の導入計画など、これらの組織はそれぞれ来年にかけて新しいESGと気候関連の開示基準や規則の発表に向けて現在取り組んでいる。
We Mean Business Coalitionの書簡では、企業にとって最も費用対効果の高い報告ソリューションを可能にし、グリーンウォッシュのリスクを最小限に抑え、グローバルに持続可能な企業への投資を考えている投資家に最も明確なイメージを提供し、企業の気候関連の報告に対する高度な説明責任を実現するなど、整合化によるいくつかの利点を挙げている。一方で、「基準や法案のドラフト版における用語、定義、概念に関するわずかなズレも、その総合的な影響力を弱めるリスクがある」とも警告している。
【参照ページ】
(原文)Business groups call on EFRAG, GRI, SEC, and ISSB for global consistency in corporate sustainability reporting
(日本語訳)We Mean Business Coalition、ESG報告への取り組み推進を促す書簡を発表