ウィズエアー、ネットゼロに向けた新たな行動計画「Flying Towards Net Zero」を発表

4月23日、ハンガリーに拠点を置く航空会社のウィズエアーは、ネットゼロ達成に向けた包括的なロードマップ「Flying Towards Net Zero」を発表した。本計画は「Flights(航空機)」「Fuel(燃料)」「Footprint(運航効率)」の3つの要素に焦点を当て、持続可能な航空燃料(SAF)を主要な脱炭素手段と位置付けている。
Wizz Airは、これまでに最新技術を導入した航空機やSAFの生産に対して140億ユーロを投資しており、この取り組みは同社の新方針「Customer First Compass」に基づくものである。航空業界が2050年のネットゼロ目標に対して遅れを取る中、本計画は抜本的な変革を促すマニフェストとして位置づけられている。
ロードマップは、国際民間航空機関(ICAO)の長期目標に準拠しつつ、以下の5つの柱に基づいて構成されている。具体的には、SAFの活用によって53%、航空機とエンジン技術の進化によって21%、機材更新によって7%、航空管制改革によって4%、運航効率向上によって2%、それぞれ排出量の削減を目指す。
同社は競合他社に比べ、SAFや新技術への依存を強め、カーボンオフセットのような未確立の手段には頼らない方針を打ち出している。特に、SAFの規模拡大には政府の支援が不可欠であり、持続可能な交通投資計画や価格差解消のためのインセンティブ導入を求めている。
また、欧州空域の近代化が遅れており、運航の非効率性が多くの無駄な排出を生んでいることも指摘。Wizz AirはAI技術を活用して運航効率を高めているが、他の関係者の取り組みも必要であると強調している。
(原文)WIZZ AIR UNVEILS ITS ROADMAP TO NET ZERO BY 2050 – A MANIFESTO FOR URGENT ACTION IN AVIATION
(日本語参考訳)ウィズエア、2050年までにネットゼロを目指すロードマップを発表 ― 航空業界における緊急行動の宣言