3月21日、セネガルのダカールで開催された第9回世界水フォーラムで、ユネスコはUN-Water(国連水関連機関調整委員会)を代表して、「地下水:見えないものを見えるようにする(Making the invisible visible)」と題した国連世界水開発報告書の最新版を発行した。現在および将来の地球上の水危機に対処するため、適切かつ効果的な地下水の管理およびガバナンス政策の開発を各国に呼びかけている。
本報告書では、地下水の利用・管理方法を改善し、潜在能力を最大限に引き出すために、以下の3つの対策を講じている。
1.データの収集
国(及び地方)の地下水機関が責任を負うデータ及び情報の取得を、民間セクターが補完する。特に、石油、ガス、鉱業界は、帯水層を含む地下深部の領域に関するデータ、情報、知識をすでに大量に保有しているため、地下水データの不足を改善できる。
2.環境規制の強化
地下水の共通善的側面に鑑み、政府が資源の管理者としての役割を果たす。 地下水は目に見えず、取締りや汚染者の起訴は困難であるため、地下水の汚染防止には、適切な土地利用と適切な環境規制が必要である。
3.人的、物的、財政的資源の強化
多くの国では、機関及び地方・国政府の職員に地下水の専門家がいないこと、地下水部門または機関の権限、資金、支援が不十分なことが、効果的な地下水管理を妨げている。地下水に関連する制度的能力の構築、支援、維持に対する政府のコミットメントが重要である。
【参照ページ】
(原文)UN World Water Development Report 2022 ‘Groundwater: Making the invisible visible’
(日本語訳)国連世界水開発報告書2022年版、地下水資源がテーマに