広野IGCCパワー合同会社、福島県での新たな石炭火力発電所の運転開始

11月19日、広野IGCCパワー合同会社は、広野IGCC発電所(54万3千kW)の営業運転を開始した。

広野IGCC発電所は、石炭ガス化複合発電を採用した最新鋭の石炭火力発電所であり、世界最高となる48%の熱効率を実現している。IGCCパワー合同会社は地球温暖化対策に着実に取り組みつつ、福島復興のために日々安全を最優先に発電所の営業運転を行っていく。

広野IGCC発電所の特徴は以下の通り。

1つ目は、世界最大の高効率であること。IGCCでは固体の石炭を高温・高圧のガス化炉内で、気体の石炭ガスに変換する。このガスを燃焼させて、ガスタービンと蒸気タービンの2つのタービンを組み合わせた複合発電設備で発電を行う。

2つ目は、 二酸化炭素排出量の低減である。高い熱効率の実現によって、最新鋭の従来型石炭火力発電と比較し、二酸化炭素排出量を約15%低減した。

3つ目は、 発電に利用する石炭の種類拡大である。石炭をガス化炉でガスに変換するため発電に利用することが可能になったため、石炭を安価に安定的に燃料として確保することができ、我が国のエネルギーセキュリティーの向上に寄与することにつながる。

4つ目は、環境に配慮した発電の実現である。石炭をガス化した時点で薬剤を用いて硫黄酸化物を除去し、脱硝装置で窒素酸化物を除去するため従来型石炭火力発電と同等の環境値を実現している。また、IGCCでは石炭灰はガス化炉内で溶融し、ガラス状のスラグをセメントの原材料や路盤材として再利用する。

【参照ページ】
広野IGCC発電所の営業運転を開始致しました

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る