4月5日、Climeworksは、Partners Groupとシンガポールの政府系ファンドGICが主導する資金調達ラウンドで、6億5000万米ドル(約804億円)の調達を発表した。本資金調達は、ClimeworksのDirect Air Capture(DAC)の生産能力拡大を資金使途とする。
その他の投資家には、Baillie Gifford 、Carbon Removal Partners 、Global Founders Capital 、M&G 、Swiss Reが含まれている。
DACは、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から直接CO2を抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせて永久に除去することができる。IPCCの気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、二酸化炭素の除去方法は今後数十年にわたって年間数十億トンにまで拡大し、DACはその大部分を占める可能性があるとされている。
ClimeworksのDAC装置は、再生可能エネルギーまたは廃棄物由来のエネルギーのみで駆動する。本装置は、モジュール式の二酸化炭素回収装置で構成されており、ファンで空気を取り込み、高選択性フィルター素材の表面に二酸化炭素を捕獲し、高純度、高濃度の二酸化炭素を取り出す。Climeworksは、CO2貯蔵ソリューションプロバイダーのCarbfix社と提携し、回収した二酸化炭素を水と混合して地下深くに注入し、最終的には自然鉱化により石になる。同社によると、本プロセスは、再生可能エネルギーと地中貯留のオプションがある世界の他の地域でも適用可能である。
Climeworksは、本資金調達により、DACの生産能力を数百万トンまで拡大する計画で、同社の次の成長段階を切り開くことになると述べている。
【参照ページ】
Accelerating the direct air capture industry : Climeworks raises CHF 600 million in equity funding