欧州委員会、サステナブル・プロダクトを欧州の標準とするための提案を発表。繊維製品や建築物が対象

EU、消費財の環境負荷に対応する規則を提案

3月30日、欧州委員会はEU全域のほぼすべての製品のサステナビリティ・プロファイルを改善し、ライフサイクルを通じてより環境に優しく、循環型、エネルギー効率の高いものにすることを目的とした提案を開始した。

本提案は広範な物理的財を対象とし、繊維製品の耐久性・修理性・再使用性・リサイクル性を高めるための新戦略、建設製品の環境・気候性能の向上、消費者が製品の環境持続性についてより良く知ることができるようにするための新たな規則案の導入などを含んでいる。

サステナブル・プロダクトを欧州の標準とするための主要な行動には、エコデザイン要件による製品の環境・循環・エネルギー効率の向上、デジタル製品パスポートの導入による製品のサステナビリティ情報の改善、売れ残り消費財の廃棄防止、持続可能なビジネスモデルの推進、グリーン公共調達の要件設定などが含まれる。

欧州委員会によると建築物は資源の採掘と消費の約50%を担っており、EUの年間発生する廃棄物の30%以上を占めている。建設資材規則の改正は既存の規則を近代化し、建設資材の環境性能を評価するための枠組みの作成を目的としている。新たな要件は、これらの製品の耐久性・修理性・リサイクル性・再製造の容易性の向上を目的としている。

ヨーロッパの繊維製品の消費は、食料・住宅・移動に次いで、環境と気候変動に与える影響が4番目に大きい。繊維に関する2030年のビジョンには、EU市場で販売されるすべての繊維製品を、リサイクルや修理が可能で有害物質を含まず、できる限り再生繊維を使用し、社会的権利と環境を尊重して生産するようにすることが盛り込まれている。

繊維戦略における新たな具体的施策としては、繊維製品のデザイン要件、より明確な情報とDgital Product Passport、グリーンウォッシュの厳格な管理、過剰生産と過剰消費の逆転、EU extended producer responsibility schemeの義務化などが予定されている。

【参照ページ】
Green Deal: New proposals to make sustainable products the norm and boost Europe’s resource independence

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    2025-7-17

    複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    サステナビリティ情報開示の実務の“今”に応じたオリジナル解説記事のご案内 サステナビリティ情…
  2. 2025-7-17

    カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

    7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)…
  3. GXの全貌と実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    2025-7-16

    GX/GX-ETSと実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    ※本記事は、2025年3月に発行した記事に最新のGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る