GRI、石炭セクターの新しいESG開示基準を発表

GRI、石炭セクターの新しいESG開示基準を発表

3月15日、ESG報告の標準化を推進する主要組織の一つであるグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は、石炭セクターの企業が経済・環境・人々に与える影響を伝えるための指針として、石炭セクターの新しい開示基準の開始を発表した。

企業・投資家・政府が脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化する中、石炭部門は特に大きなプレッシャーにさらされている。国際エネルギー機関(IEA)によると、石炭火力発電は世界のCO2排出量の約30%を占めると言われている。また、火力発電用石炭は、世界の燃料ミックスの中で最も炭素排出量の多いエネルギー源でありながら、世界のエネルギー供給の約40%を占めている。

GRIによると、この新しい基準は、石炭会社による石炭採掘からの移行計画を含む気候変動緩和要求への対応、人権から従業員やコミュニティの安全や福利厚生に至る社会的影響、環境および生物多様性への影響の管理措置、コミュニティや労働者に対する炭鉱閉鎖の影響などの問題を報告可能にすることを目的としている。

今回の新スタンダードは昨年の石油・ガスセクターを対象としたGRI初のセクタースタンダードを発表に続くものである。GRIは今後、農業・水産養殖・漁業・鉱業・繊維・アパレル・食品・飲料などのセクターを対象とした基準を発表する予定だ。

【参照ページ】
(原文)Accountability on coal: managing the impacts of a sector in transition
(日本語訳)GRI、石炭セクターの新しいESG開示基準を発表

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る