3月14日、欧州中央銀行(ECB)は「金融機関の気候関連・環境リスク開示に関する監督上の評価」を発表した。本報告書は、銀行は気候変動リスクの開示について一定の改善を行っているものの、提供される透明性のレベルはまだ不十分であり、監督当局の期待に完全に応える銀行はないと示した。
本報告書によると、4分の3の銀行は気候・環境リスクが自社のリスクプロファイルに重大な影響を及ぼしているかどうかを開示していない。さらに、60%近くの銀行は移行リスクや物理的リスクがどのように戦略に影響し得るかを説明していない。
本報告書は、2020年に行われた最新の事前評価と比較して、気候・環境リスクのガバナンスと取締役会の監督に関する情報を提供している銀行が、以前は約50%だったのに対し現在は約70%と、ある程度の改善が見られたことを指摘している。
ECBのフランク・エルダーソン副監督委員長は、投資家やその他のステークホルダーからの圧力が高まっていること、特に銀行が規制当局や法律家による開示要求を目前に控えていることから、気候・環境リスクに関する透明性を迅速に向上させる必要性を強調した。
ECBは監督下にある各銀行に対し、情報開示のギャップを強調し、その改善に向けた行動を期待する旨のフィードバックレターを個別に送付している。エルダーソン氏は、ECBは2022年末に銀行の気候・環境情報開示を再度評価し、大きな進展を期待すると述べた。
【参照ページ】
(原文)Banks must get better at disclosing climate risks, ECB assessment shows
(日本語訳)ECB、銀行の気候変動リスク開示について、改善の必要性を強調