3月9日、欧州委員会はロシアのウクライナ攻撃を受け、EU加盟国を2030年までにロシアの化石燃料依存度の低減を想定した計画「REPowerEU」の概要を提案した。これにより、年末までに欧州のロシア産ガス需要を3分の2に削減する。
ロシアが大量の石油とガスを生産・輸出していることから、ロシアのウクライナ攻撃が始まって以来、エネルギー供給の安全保障とロシアの化石燃料への依存の低減が世界各国政府の最重要課題となってきた。
こうした背景から、米国政府はすでにロシアの石油・液化天然ガス・石炭の輸入を禁止し、英国政府もロシアの石油の輸入を段階的に停止することを決定している。
昨年、米国はロシアから1日当たり70万バレル近い原油と石油精製品を輸入していた。一方、ロシアの輸入量は英国の石油総需要の8%を占めている。またEUはガス消費量の90%を輸入しており、そのうち約45%がロシアからの調達である。また、石油でのロシア調達率は約25%で、石炭輸入も約45%を占めている。
本計画では、欧州のエネルギー価格の上昇に対応し、来年の冬に向けてガス在庫を補充するための一連の措置を概説している。
【参照ページ】
EU outlines actions to eliminate dependence on Russian fossil fuels