1月27日、国際財務報告基準財団(IFRS)は国際サステナビリティ基準委員会(International Sustainability Standards Board)の新幹部人事として、IASBのスー・ロイド(Sue Lloyd)氏を副議長に、バリュー・リポーティング財団(Value Reporting Foundation)のCEOであるジャニーン・ギヨー(Janine Guillot)氏をISSB議長の特別顧問に任命するなど、2名の上級職を発表した。
今回の発表は、ダノンの前CEO兼会長のエマニュエル・フェイバーがISSBの初代議長に就任したことに続くものだ。ISSBは、2021年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で発表された、IFRSサステナビリティ・ディスクロージャー基準の策定を目的としている。
ISSBは、国際会計基準審議会(IASB)と併設されており、両審議会はIFRS財団の評議員会によって監督されている。ISSBの発足に伴い、IFRSは、サステナビリティ報告基準の主要機関であるClimate Disclosure Standards Board(CDSB)とValue Reporting FoundationをIFRS財団に統合することも発表した。
スー・ロイドは、2014年からIASBのメンバーであり、2016年からは副議長を務めている。彼女は、提案された基準の技術的準備作業を行うことを任務とする技術準備作業グループ(TRWG)のIASB代表を務めるなど、ISSBの設立において重要な役割を果たした。ロイドは、IASBでの現在の職務を退き、基準設定に関する技術的な問題や開発に関するISSBの活動に注力する。
ギヨーは、昨年国際統合報告評議会(IIRC)とサステナビリティ会計基準審議会(SASB)が合併して設立されたバリュー・リポーティング・ファウンデーションの最高経営責任者(CEO)を歴任し、合併前のSASBのCEOを務めた。SASBは投資家が報告されたサステナビリティ情報の重要性を評価し、これらの指標に基づいて企業をグローバルに比較するために、業界固有のESG開示基準を企業に設けることを使命として設立された。ギヨーは特別顧問として、ISSBの議長および評議員に戦略的なアドバイスや助言を提供し、VRFのIFRS財団への統合およびISSBの設立の監督を支援する。
また、IFRS財団は、ISSBの発展途上国や新興国、中小企業との関わりに焦点を当てるために、アジア・オセアニア地域からISSB議長の特別顧問をもう一名任命する予定だ。
【参照ページ】
(原文)Sue Lloyd appointed as ISSB Vice-Chair and Janine Guillot appointed as Special Advisor to ISSB Chair
(日本語訳)IFRS、国際サステナビリティ基準委員会の新幹部人事を発表