M&G、インパクト投資家responsAbilityを買収

M&G、インパクト投資家responsAbilityを買収

1月27日、グローバル投資マネージャーのM&G plcは新興市場に特化したインパクト投資家であるresponsAbility Investments AGの買収を発表した。規制当局の承認を前提として、M&Gは同社の発行済み株式の約90%取得に合意し、残りの10%についても段階的に取得する。

2003年に設立されたresponsAbilityは、新興市場のプライベート・デット・プライベート・エクイティに投資しており、金融包摂、持続可能な食料、気候変動ファイナンスの分野でビジネスモデルが国連の持続可能な開発目標(SDGs)を直接サポートする企業に焦点を当てている。現在responsAbilityの運用資産は約37億ドル(約4,300億円)で、設立以来110億ドル(約1.27兆円)以上の投資を行っている。

M&Gによると、今回の買収は持続可能な投資能力を高め、インパクト投資のリーダーとなるという同社の戦略に沿ったものであり、M&Gの国際的なプレゼンスとプライベート・アセット・オリジネーションの能力を拡大するものだ。本買収は、M&Gが昨年プライベート&オルタナティブ・アセット事業の中にインパクトに特化した投資チームである「カタリスト」を設立したことに続くもので、サステナビリティに特化した民営企業への投資をターゲットに約7,700億円のアロケーションを設定している。

responsAbilityはブランドアイデンティティを維持し引き続きCEOのローカス・モモーツが指揮を執り、本社は引き続きチューリッヒに置く。同社の200名の従業員は、取引完了後にM&Gに入社する。

【参照ページ】
(原文)M&G acquires leading impact investor, responsAbility Investments AG
(日本語訳)M&G、インパクト投資家responsAbilityを買収

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る