12月7日と8日、日本政府の主催により、東京栄養サミット2021が開催された。日本国内の参加者は対面、海外からは全面的にオンライン参加とするハイブリッド形式で行われた。
本サミットでは、各国政府、国際機関、民間企業、市民社会、学術界を始めとする幅広い関係者の参加を得て、先進国・途上国を問わず、成長を妨げる低栄養と、生活習慣病を引き起こす過栄養の「栄養不良の二重負荷」が問題となっていることや、新型コロナ感染症による世界的な栄養状況の悪化を踏まえ、(1)健康、(2)食、(3)強靭性、(4)説明責任、(5)財源確保の5つの観点に焦点を当てて議論が行われた。
7日に行われたハイレベル・セッションでは、約30か国の首脳級及び閣僚級等の他、国際機関の長、民間企業、市民社会、学術界等の代表等、計50名以上が、栄養改善に向けた取組を述べた。日本からは岸田文雄内閣総理大臣が、栄養関連の取組を述べつつ、今後3年間で3,000億円、28億ドル以上の栄養に関する支援を行い、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成等に貢献していくことを表明するとともに、林芳正外務大臣が歓迎及び閉会の挨拶を行った。加えて、鈴木貴子外務副大臣が第1セッション及び第2セッションの総括を行った。
8日に行われたテーマ別セッションでは、冒頭、金子農林水産大臣、後藤厚生労働大臣(佐藤厚生労働副大臣代読)から冒頭挨拶が行われた。また、(1)健康、(2)食、(3)強靱性の3つのテーマ毎にパネルディスカッションが設けられ、各国政府、国際機関、民間企業、市民社会、学術界他の幅広い関係者がパネリストとして参加し、今後取り組むべき方向性について議論が行われた。さらに、上記の3つのテーマの横断的視点として(4)説明責任及び(5)財源確保についても併せて議論された。
2日間のサミットにおいて、少なくとも、66か国及び20社の企業を含む156のステークホルダーから331のコミットメントが提出されるとともに、計270億ドル以上の栄養関連の資金拠出が表明されるなど、過去の栄養サミットを上回る成果が得られた。
今回の東京栄養サミットにおいては、栄養改善に向けて国際社会が今後取り組むべき方向性をまとめた成果文書として、64か国の政府、11の国際機関、60社の民間企業、58の市民社会を含む、212のステークホルダーからのエンドースを得る形で、東京栄養宣言が発出した。東京栄養宣言では、2030年までに栄養不良を終わらせるため、健康・食・強靱性・説明責任・財源確保という5つの項目について、今後取り組むべき具体的な方向性が示されている。
【参照ページ】
東京栄養サミット2021の結果概要