6月21日、日本政府は新しい資本主義実現会議合同会議・経済財政諮問会議を合同開催し、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版」「経済財政運営と改革の基本方針2024」を閣議決定した。30年ぶりの高水準賃上げや、史上最高水準の設備投資など、日本経済は成長型の新たな経済ステージへと移行する大きなチャンスを迎えていることを受け、同政府は経済財政運営の指針と具体的な政策をそれぞれ示した。
新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版では、第7章で資産運用の推進について、特に2節ではアセットオーナーシップの改革について訴えている。公的年金、共済組合、企業年金、保険会社、大学ファンドなどのアセットオーナーには、受益者に適切な運用成果をもたらす責任が求められるとした上で、アセットオーナーに係る共通の原則、「アセットオーナー・プリンシプル」を夏を目処に策定するとした。同原則では、経済金融情勢を踏まえ、許容リスクや目標リターンといった運用目標の設定や投資先企業の持続的成長を促すことが求められる。
また同計画では、主要な公的アセットオーナーについて、アセットオーナー・プリンシプルの受け入れに加えて、運用対象資産の多様化、スチュワードシップ、運用担当責任者(CIO)の設置など専門人材の登用・育成を盛り込んだ取組方針の策定・公表、そして定期的な進捗状況の公表も求めている。さらに、代表的な公的年金基金による責任投資原則(Principles for Responsible Investment, PRI)への署名を年内に完了し、サステナビリティ投資を強化する。
【参照ページ】
(原文)
新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版
経済財政運営と改革の基本方針2024について