IBMとJLL、商業用不動産向けESGレポートおよびデータ管理ソリューションで提携
7月15日、IBMと不動産および投資運用会社のJLLは、商業不動産(CRE)セクター向けに、ESG報告とデータ管理ソフトウェアを基盤としたサステナビリティ・ソリューションを提供すると発表した。同ソリューションにはIBM Enviziテクノロジーを採用する。両社は、初期展開の時点で、数千のJLLクライアントのサイトにIBM Enviziソフトウェアに移行する機会を提供する予定だとしている。
このソリューションは、不動産ポートフォリオ全体のデータを収集・管理し、意思決定や公的な報告のために活用するために設計されている。JLLの研究報告書『The green tipping point』によると、ESG要件に基づく企業のリース需要はすでに増加しており、今後12〜24ヶ月で広範な変化が見込まれるという。2025年までには、低炭素オフィススペースに対する市場需要の30%が満たされなくなり、賃貸市場におけるネット・ゼロ目標の浸透に向けた転換期が訪れると示唆されている。
しかし、組織全体でのESG指標の統合は限定的にしか行われていないという。IBM Institute for Business Valueの報告書『The ESG Data Conundrum』によると、回答者のうち、ESG指標をサプライチェーン運営に統合しているのは20%、調達およびソーシングに統合しているのは26%、不動産および施設管理に統合しているのはわずか11%である。一方で、同機関の報告書『Beyond Checking The Box』によれば、サステナビリティを事業化した会社は収益性で同業他社を52%上回り、収益成長率は16%高いという。このような結果を達成するために、データ管理および報告プラットフォームを利用することが大きな助けとなるといえる。
【参照ページ】
(原文)IBM and JLL Collaborate on ESG Reporting and Data Management Solution for Commercial Properties
(日本語参考訳)IBMとJLL、商業用不動産向けESGレポートおよびデータ管理ソリューションで提携