4月22日、民間団体・人口戦略会議は「地方自治体「持続可能性」分析レポート」を公表。昨年12月に公表された「日本の地域別将来推計人口」に基づき、人口から見た全国の地方自治体の「持続可能性」について分析を行った。
当分析は2014年に民間団体・日本創成会議が発表した「消滅可能性都市」リストの分析方法を踏まえたものである。2014 年の分析は、「日本の地域別将来推計人口」における若年女性人口の将来動向に着目したものであった。今回も、この考え方を踏襲し、若年女性人口が 2020 年から 2050 年までの 30 年間で 50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」としている。また、今回のレポートでは各自治体が深刻な人口減少を回避するにはいかなる対策を講ずるべきか、という視点からの分析も行われている。
当レポートによると、若年女性人口の減少率が 2020 年から 2050 年までの間に50%以上となる自治体(消滅可能性自治体)は 744 自治体であった。2014 年の 896 自治体と比べると若干改善が見られた。このうち、前回対象としなかった福島県の自治体を除くと、711 自治体となる。今回、消滅可能性自治体を脱却したのは 239 自治体だった。744自治体のうち、今回新たに該当したのは 99(うち福島県の自治体が 33)、前回、今回ともに消滅可能性自治体であることに変わりはないが、若年女性人口減少率が改善したのは362、悪化したのは 283 であった。
また当レポートでは、封鎖人口を用いた推計も加味した新たな分析手法として、9つの分類が設定された。この分類は、各自治体において人口移動がなく、出生と死亡だけの要因で人口が変化すると仮定した推計結果と、人口流出等による移動傾向が一定程度続くと仮定した推計結果を反映した分類である。この分類により、地域が取り組むべき対策を明らかにした。
上記分類により、人口規模や地域によって人口特性の違いが浮き彫りとなった。各自治体は、実情と課題に応じて、人口の自然減対策と社会減対策を適切に組み合わせた対応が求められている。
【参照ページ】
(原文)令和6年・地方自治体「持続可能性」分析レポート