11月17日、環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は食品・消費財大手10社のサプライチェーンにおける森林破壊と人権への取り組みを評価した2023年ランキングを発表した。
ランキングの対象となった企業はP&G、ユニリーバ、コルゲート・パーモリーブ、花王、ネスレ、ペプシコ、モンデリーズ・インターナショナル、日清ホールディングス、フェレロ、マースである。対象産品には「森林リスク産品」と呼ばれるパーム油、紙パルプ、牛肉、大豆、カカオ、木材製品などが含まれた。
ランキングは各社の原材料調達での森林破壊と人権の12項目を24点満点で評価し、A(21以上)、B(17以上)、C(12以上)、D(6以上)、不可(5以下)の評価を与えた。
結果は以下の通りである。
- 首位:ユニリーバ(C)
- Dを獲得:花王、ネスレ、ペプシコ
- D-:コルゲート・パーモリーブ、マース
- 不可:その他の企業
日清ホールディングスは森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ(NDPE)への支持を認めながら、評価を下げた要因として、パーム油以外のNDPE主要項目が不明確であることや、サプライヤーにNDPEの採用を義務化していない点が挙げられた。
ユニリーバはHRD(人権擁護者)を脅迫や迫害から守る方針を公表し、高い評価を得た一方で、P&Gは森林リスク産品セクターの横断的方針において森林保護の要件を弱体化したため、評価を下げた。
また、RANは11月7日に発表した別のレポートで、インドネシアの「ラワ・シンキル野生生物保護区」で違法に生産されたパーム油が流通していることを指摘しており、これに対する企業の対応についての進捗状況が不透明であると報告している。
【参照ページ】
プレスリリース:新報告書「森林&人権方針ランキング2023」発表〜ユニリーバがトップ、P&G最下位、日清食品は改善するも取り組み遅れ〜 (2023/11/17)