9月21日、東芝は、デジタル化によるカーボンニュートラルな循環型経済(CN-CE)の実現を加速するため、ドイツ・デュッセルドルフに再生イノベーションセンター(RIC)を設立したと発表した。
ドイツの新しい技術ハブは、ヨーロッパにおけるCN-CEに関連する技術開発と社会実装のための重要な拠点として機能する。RICは、最先端の技術開発の推進、東芝グループが保有する技術の検証、パートナーとの協業による標準化活動などに取り組んでいる。これらの活動を通じて、欧州コミュニティへの参画、パートナーとの関係の深化を図り、科学、工学、経済、社会など多角的な視点からCN-CEに関する社会的課題に取り組んでいる。
RICでの活動は、電池・半導体などのデバイス関連分野、再生可能エネルギー・水素・エネルギーマネジメントなどのエネルギー分野、CO2の回収・輸送・貯蔵・利用などのカーボン・マイナス分野、エネルギー・CO2データを活用したデジタルプラットフォーム分野など、さまざまな技術分野に及んでいる。
東芝はすでに英国にケンブリッジやブリストルなどの研究所を有し、量子情報技術やAI、IoTなどの研究開発を行い、世界初の技術成果を数多く生み出している。欧州本土に新設される本技術拠点は、CN-CE技術の研究開発と実用化において極めて重要な役割を果たす。
さらに、再生イノベーション・センターは、エネルギー技術をリードするアーヘン大学と、環境の持続可能性に重点を置くヴッパータール研究所のアドバイザリー支援を求めている。本連携により、東芝はEUと英国にまたがる欧州全域の一流大学や研究機関と協力するハブ機能を確保する。東芝は、欧州の様々な国や地域における実証プロジェクト、協力関係、ビジネスパートナーに基づく新たな技術ハブのためのサテライトオフィスの設立を検討している。
「リジェネレイティブ(再生)」とは、環境や社会に良い影響を与え、状況を改善しようとする取り組みを意味する。気候変動や自然資本の喪失といったリスクの出現を認識し、「再生」の概念は「持続可能」という中立的な表現を超え、自然システムと人やモノを含む人間システムの両方に対する包括的なアプローチを必要とする。
再生イノベーションセンターは、ハードとデジタルの両領域における技術開発と多面的かつ体系的な思考を通じて、社会実装の早期実現を進め、「再生」アプローチに貢献することに注力している。これらの活動を通じて得られた知見や経験は、東芝グループにおける研究開発のさらなる推進や、”For People and For the Earth “を追求するテクノロジー企業に求められる新たな価値や役割の探求に役立てられる。
東芝グループは、”For People and For the Earth “の理念のもと、人と地球の持続可能な発展を目指している。人類と地球の持続可能性の確保という喫緊のグローバル課題を認識し、新たな技術拠点の構築を通じて、CN-CEの実現に向けた関連技術の早期社会実装を目指す。
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ドイツに新技術拠点「Regenerative Innovation Centre (リジェネラティブ・イノベーションセンター)」を開所