9月25日、日産は、2030年までに欧州でEVを導入することを目指し、今後欧州で発売するすべての新型車をEVにすると発表した。
本発表は、日産が2021年に発表した「アンビション2030ビジョン」に続くものである。自動車の電動化を長期戦略の中核に据え、5年間で180億ドル(約2.7兆円)近い投資を行い、EVラインナップの拡充と技術革新に注力する。
EVへの移行は、世界的な排出量目標を達成するために不可欠であると考えられている。国際エネルギー機関(IEA)によると、自家用車とバンは2022年にCO2排出量の10%を占める。欧州では、2018年から2022年の間に、EVと電動車両の販売台数は市場全体の5%から44%に増加し、EVの販売台数は市場全体の1%から12%に増加した。
日産の2030年という期限は、EUが2035年からEU域内で登録される新車とバンのCO2排出量を100%削減することを義務づける目標や、英国が最近改定した2035年のガソリン車とディーゼル車の販売禁止に5年先行することになる。
EVへの移行は、化石燃料で走る自動車に比べてEVの価格が高いことが主な理由で、想定よりも遅れている。日産は、独自の全固体電池(ASSB)を搭載したEVを2028年度までに発売することを目指しており、これにより電池パックのコストを2028年度までに1kWhあたり75ドルまで下げる。将来的にはさらに65ドルまで下げてEVとガソリン車のコスト・パリティを達成することを目標としているという。
日産はまた、コバルトフリー技術を導入し、2028年度までにEV用バッテリーのコストを65%下げることも目指している。
【参照ページ】
(原文)Nissan counts down to electric-only sales in Europe
(日本語参考訳)日産、欧州でEVに特化した販売を開始